AI麻雀道場 第2回:判断はエンジン、言語化はLLM
LLMに丸投げすると、麻雀の細かい数値を間違えてしまうことがありました。そこで解決したのが、「計算はプログラム、説明はLLM」という役割分担です。
- ローカルLLMには数値や複雑な判断を任せない
- 向聴数などの正確な解析データはプログラムで算出する
- LLMには「解析結果の言語化」のみを担当させることで、ハルシネーション(AIがもっともらしい嘘をつくこと)を防ぐ
- 推論モデルの設定を最適化することでレスポンス速度を改善する

なぜLLMにすべてを任せられないのか
AIに麻雀の解説をさせようとした際、最初に直面した課題は「ローカルLLM(自分のPCで動かす大規模言語モデル)」が、麻雀特有の細かい数値や判断を間違えやすいという点でした。
LLMは文章を作るのは得意ですが、麻雀のような高度な計算や正確な数値を伴う推論においては、時に事実とは異なる回答をしてしまうことがあります。これをハルシネーション(AIがもっともらしい嘘をつく現象)と呼びます。
- LLMに丸投げすると数値の誤りが発生しやすい
- 正確な判断にはプログラムによる厳密な解析が必要
- 解説とAIの思考が食い違うと学習にならない
「計算」と「言語化」を切り分ける仕組み
この問題を解決するために、本ツールでは役割を明確に分担させる仕組みを採用しました。具体的には、麻雀の判断や数値の算出はプログラム(エンジン)が行い、その結果をLLMが「初心者向けの言葉」に翻訳して説明する形です。
向聴数(あか聴数:あと何枚でアガれるかを示す数値)や受け入れ枚数、危険度、役の見込みといった正確なデータは、すべてプログラムの解析によって決定されます。LLMにはこの「確定した事実」だけを渡して、解説を作成させるようにしました。
- 向聴数・受け入れ枚数などのデータはプログラムが算出
- LLMにはその結果をもとに初心者向けの言葉を作る役割を与える
- CPU(計算機)も同じ解析データで打牌するため、解説と思考の食い違いを防げる
参考:モデルの大きさと速さ(実測)
ハルシネーションを減らすための工夫
開発の過程で、エンジンが計算した事実をLLMに渡すようにシステムを改良したことで、作り話によるエラーを大幅に減らすことができました。
例えば、以前は「CPUが和了(あがり)したのに、LLMがプレイヤー側を祝ってしまう」といった不具合もありましたが、現在は役割分担によりこうした食い違いを修正しています。
- 事実のみをLLMに渡すことでハルシネーションを抑制
- エンジンの動作と解説の整合性を確保
さらに快適な操作のために
また、よりスムーズな体験のためにモデルの設定も見直しています。Gemma 4やQwen3といった「考える(推論)」モデルを使用する場合、設定にある「思考モードを無効化」にすることで、返答速度が大幅に速くなることが確認されています。
このように、AIの特性を理解して適切な役割を与え、最適な設定を組み合わせることが、実用的なツールを作るためのポイントです。
- 推論モデルの「思考モード」を無効化することで高速化
- 役割分担による正確性と速度の両立
- AIを使って独自のツールを作りたい方
- LLMの正確性を高める仕組みに興味がある方
- ローカルAIの活用法を知りたい方
- 麻雀のルールを基礎から学びたい方(本記事はツールの仕組み解説です)
- LLMの推論能力だけですべてを解決したい方
よくある質問
Q. なぜLLMに全部計算させないのですか?
LLMは文章生成には優れていますが、麻雀のような厳密な数値計算や確率の判断をすべて任せると、誤った数値を提示する(ハルシネーション)ことが多いためです。
Q. 思考モードを無効にすると精度は落ちますか?
公式の情報では、推論モデルにおいて思考モードを無効化することで返答が大幅に速くなるとされています。役割分担によって「計算」をプログラムで行っているため、解説の言語化においてはこの高速化のメリットを活かすことができます。
AI麻雀道場では、LLMの弱点である数値の正確性を補うため、プログラムによる解析結果をLLMに渡して言語化させる仕組みを採用しています。これにより、ハルシネーションを抑えつつ、初心者にも分かりやすい解説を実現しました。また、推論モデルの設定を最適化することで、より快適なレスポンス速度も追求しています。
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